日々のブログ

Un Chien Andalou

絵本作家は天才過ぎる


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「実は、あの〜私ですね…恥ずかしながら、海外で日本の絵本を読んで泣いたことがあるんです。」

 

 

 

はい、そうなんです。東南アジアに2ヶ月くらいいたことがあるんですけど、そろそろ日本が恋しいなぁって時に星乃珈琲店に入って。(日本よりも食べ物系が売れるんだそうです。コーヒーショップというより、定食屋さんみたいです)そしたら日本の雑誌なんかがたくさん置いてあって、そこの一つに『小さいおうち』があったんですよ。

 

 

 

 

そして、「あーーーー!なんか、すごい懐かしいなぁ」と思ってパラパラめくってたら、涙が出て来たんです。日本が恋しかったんでしょうね…。オムライスを持ってきた店員さんにバレないように涙を拭って、ふわふわオムライスことfluffy omletをありがたく頂きました。美味しかったです。

 

 

 

昔、回顧主義は嫌!という意識がありました。昔のこと振り返ってばっかで、今を見てないな、ダサいなと思って。高齢の方が昔の話するの、若い人からしたら大概興味ないじゃないですか。何でそんな昔の話するんすか、ってウンザリしてたんです。でも、どんな人にとっても幼い頃の記憶は、美しく鮮明に残ってるものなんですよね。

 

 

 

そしておもちゃとか絵本って、実はもの凄く考えられて作られているんです。

 

 

 

子どもという言語や論理が全く通用しない宇宙人みたいな存在に対して、大人が「伝えたいな」「こういうこと知ってほしいな」と思うエゴを、出来るだけ多くの市民権を得る形で表現する。大人の事情(つまり親に支持されるか否か)も考慮する必要があるし、子どもが何を学ぶかなんて実際に出版してみないと見当もつきません。

 

 

 

それをやってのけるのが絵本作家。

……うん。どうしよう、凄すぎる…!!!

 

 

 

難しいものを難しいまま理解すること、伝えることだって凄いことです。勉強してないと出来ないことだし、"そういうことが議論できる場"にいないと、なかなか実現できません。きっとその人たちの間でしか存在しない空気感、言語があるでしょう。

 

 

 

でも、難しいものと分かりやすいものを繋ぐ作業だって、超絶難しいはずなんです。

 

 

 

本当は、そんなに難しいことを伝えたいわけではないのかも知れない。だけど、シンプルだからこそ考えるはずです。逆説的ですが、シンプル過ぎると人は不安になりますよね。いくらシンプルライフって言ったって、自然のもの手当たり次第にそのまま食って寝るだけが人生ではありません。

 

 

 

どうやったって「これを読み聞かせされた時、子どもは何て思うんだろう?」と考えるはずなんです。考えて考えて、大人たちはどう思うか、ビジネスとして成り立つかどうかも思い悩む。

 

 

 

それを乗り越えて出来た物語だけが、デザイナーによって丁寧に装丁され、配送やさんによって運ばれ、きらきらと書店に並んで買う人を待つ権利を与えられるのです。

 

 

 

絵本って、海外のものとかも多いじゃないですか。それって、本質的なことは言語を超えて、全て(ではないにしても非常に多くの)の人に訴求することが出来るということですよね。

 

 

 

どれだけ難しい言葉や、数式や、理論を並べても。それで満足しないのが私たちなのかも。

 

 

 

「この絵本はどういう思いで作られたのだろう?」なんて考えてみると、普段立ち寄らない本屋さんの絵本コーナーも、ずっとずーっと素敵に見えてきませんか?大人になってから絵本を読み返す。そんなちょっとした余裕が、日常に少しの変化を与えてくれる気がしています。


あなたとの出会いにありがとう。またいつか。