なぜ日本人は北欧のインテリアとフランス人の服に憧れるのか
なんだか「北欧」とか「フランス」って、すごくすごく、「素敵なもの」として取り上げられている機会が多いのではないかな、と感じる。完全に主観だけど、これを読んでくれているあなたは、どうだろうか。そう思わない?
例えば、ちょっと古いけどこの本。
フランス人は10着しか服を持たない (だいわ文庫 D 351-1)
- 作者: ジェニファー・L・スコット,神崎朗子
- 出版社/メーカー: 大和書房
- 発売日: 2017/05/12
- メディア: 文庫
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いやいやいやいやいや、フランス人みんながみんな服を10着しか持っていないなんてありえない。「日本人はみーんな、毎朝お味噌汁と白いご飯と焼き魚を食べているよ。エライ!」みたいに言われたらどうだろうか、それは違うよね、コーヒーとか飲んでるよね?
というツッコミはさておき、とにかくこの本が売れたり話題になったりしたのは「フランス人への憧れ」みたいなのが潜在的にあるということの表れではないだろうか。パリ、古い町並み、美しい彫刻や絵画、流れるようなフランス語、金髪、蒼い瞳、フランスパン(?)…適当に書いたけど、こんな感じだろう。まぁ、確かに、素敵だと思う。
ヨーロッパやアメリカのソフトパワーにとても弱いのが日本人。これは戦後植えつけられてきたもので、今となってはもう当たり前というか、無言のコンセンサスという感じである。
(もちろんそうでない方もいらっしゃると思うんですが、筆者の実感としてそう考えている人が多い気がしているという事です)
そんな中、最近台頭してきた新キャラクターが「北欧」である。クラシコム「北欧、暮らしの道具店」とか。IKEAとか。マリメッコとか。
無意識的に素敵と思わせる、ブランディングがうまい国の文化がガシガシと入ってきている。そのこと自体は、個人的には全然いい事だと思う。それが購買意欲を掻き立て、経済的な効果ももたらしてくれる。うん素晴らしい、ウェルカムである。
多分だけど、「ちょっと余裕(余白)があって、主張しすぎてなくて、でもデザイン性は高くて、すてき。」みたいな。そんな感じのものに、共感とか好スキが集まりやすいということなのかも知れない。そんな時代なのだろうか。
あるいは、私自身がすでに(潜在的に)そういうものを求めているのかも知れない。
う〜ん、分かんないけど、でも好きなものは好きなのである。最終的には、何についても憧れや惹かれることに対する理由なんて思いつかない。「手のひらの上で遊ばされていたとしても、別にいいや」なんて思えるんだから、思慕というのは恐ろしくも美しいものだ。