日々のブログ

Un Chien Andalou

あなたと冬を過ごしたい


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冬が嫌いだった。

根っからの冷え性体質で、手が氷のように冷たくなるから。「手ェ冷たいね」って言ってぎゅっとしてくれる人がいる時はいいけど、離れていたり、居なかったりすると自分からはどうしても発熱できない。昔「死人の手みたい」って言われてショックを受けたのも、ちょっと引きずってる。

 

 

 

 

それに、外と室内との温度差に耐えられなくなる。外はめちゃくちゃ寒いのに、店の中はすごく暑くてボーッとしたり。そんなギャップについて行けなかったし、顔や鼻が赤くなりがちなのも嫌。私の身体は冬に耐えられる仕様ではないのだろう…。

 

 

 

だから冬が嫌いで、夏が好きだった。冬が終わって春が来て、夏の気配を感じるだけでもテンション爆上げで全力待機してた。旅行先も、もちろん暖かい場所を選んできた。だって寒いのってさ、ほんとに死んじゃうよ。

 

 

 

寒すぎて死ぬことはあっても、暑すぎて死ぬことはあまりない、なんて思ってた。熱中症という言葉はあるけれど、凍死と比べれば命に関わるレベル感は明らかだろうと。だけど今年の夏は、暑さの恐ろしさを感じた。暑くて死ぬことだって、確実にあり得るのだと実感させられた暑さだった。

 

 

 

そんな異常気象もあって、いつもなら決して思わないのに今年は「早く冬が来ないかな〜」と思ってしまったりした。いや、別に良いんだけどね、全然。

 

 

 

冬はとっても寒いけれど、なんとなく"ぬくもり"を感じる季節でもある。それはきっと、暖かさが否応なく強調されるからなんだと思う。人肌、ストーブ、スープ、お鍋、こたつ、カイロ、お風呂、…。とにかくぬくもりを感じさせるもので身体を防御する。きっと寒いがゆえに、逆に温かいものの印象が強く残るのだろう。

 

 

 

それに、冬はやっぱり寂しさを隠しきれない。「月の砂漠」のオルゴールが流れて来たりすると、なぜだか切なくて寂しくて悲しくて、やりきれない。一人でいることが恐くなるのが、冬という季節なのだ。

 

 

 

そんな冬の中、”誰か”と一緒にいられるってもの凄く幸せなことだ。

この人と一緒に冬を過ごしたいな、って想える人は、きっとあなたの大切な人。

 

 

 

「寒いね」という言葉とともに溢れる白い息と、あったかそうなマフラーが恋しくなる。ほかほかなコンビニの肉まんでも、クリスマスの装いを纏ったスタバのコーヒーでも、ふーふーしながら食べるおでんでも、なんでもいい。共有できるあったかさがそこにあるだけで、なんとも言えない幸福に包まれる。

 

 

 

冷たい真冬の中、暖かい飲み物を両方の手のひらで包み込んで、「は〜〜、あったかい」って呟きたい。いずれ冷めてしまうとしても、冬は”今ここ”の大切さを思い知らせてくれるから、きっとそれでいいんだと思う。

 

 

 

気付けば冬がすごく待ち遠しくて、好きな季節になっていった。夏があるから冬の良さが分かり、冬があるから夏の良さが分かる。四季って、本当に上手く出来てるよなぁ。自然は相変わらず無駄のない仕事をなさる。

 

 

 

ああ、冬よ、早く私を迎えに来て。もう少しだけ、近くに来て。人生に冬というスパイスがなければ、私はどうにかなってしまいそう。


あなたとの出会いにありがとう。またいつか。